【ブロックチェーン】ブロクチェーンとは?仕組みと3つの特徴
「ブロックチェーン」という言葉を広めたのは、暗号資産であるビットコインです。
そのためか「ブロックチェーン=暗号資産」という把握をしている方が多いような気もしています。
しかし、ビットコインは取引に使用するデジタル通貨で、その取引の記録をするのがブロックチェーンという違いがあります。
この記事を書いている時点でも、「ブロックチェーン」という名前がついているサービスが増えていますが、ブロックチェーンの特徴をそのサービスが活用しているということです。
名前がついていなくても、ビットコインなどの暗号資産などの発行とそれらを利用した新しい金融の形を提供するDeFi、替えの効かない資産を表すNFT、ブロックチェーンの仕組みを活かした新しい組織の形であるDAOなど、様々な形でブロックチェーン技術が使われるようになっています。
ここに上げた活用の形は、サービスの利用を考える場合だけでなく、暗号資産の投資を考えた方であれば一度は聞いたことがあるかもしれません。
それらのサービスを支えるブロックチェーンの基本を知ることで、どのサービスを利用することが自分の目的に合っているのか、投資対象の情報として何を知ればよいのか、そういった違いを見つけることができます。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンは日本語で「分散型台帳」と説明されています。
台帳をGoogleで調べると、
売買や事務上の記録の土台となる帳簿。原簿。元帳(もとちょう)
Oxford Languages
と説明されていました。
つまり基本的には「台帳技術=記録するための技術」というものです。
記録する技術で言えば、データベース技術が進化を続け、今のインターネットを使った便利な状況が作られていますが。
ブロックチェーンが今までのものと違うのが、「分散化」されたものであるということです。
まずは、ブロックチェーンの記録する仕組みを見てから、その特徴について書いて行きたいと思います。
ブロックチェーンの仕組み
台帳が売上や事務上の記録をするものと定義されているので、何かしらの取引が発生したとしましょう。
取引をすごく単純にすると、「誰が」「誰に」「いくら払う」かというデータで出来ています。
その取引記録のデータが格納されているものを「トランザクション」と言います。ざっくりと記録する内容が「トランザクション」であるとの理解で問題ないでしょう。
一定時間(ビットコインの場合はおよそ10分程度)の間、そのトランザクションを集め「ブロック」にまとめます。
このブロックには、直前に生成されたブロックの情報を含ませます。
そうすることで取引記録に連続性をもたせ、取引が正しいものであることが証明されたことになります。
このように取引の記録の塊であるブロックが、チェーンのようにつなげることでデータを保存するので、ブロックチェーンと名付けられています。
このようなデータの保存の仕組みが一つの特徴ではありますが、それだけなら今あるリレーショナル・データベースといったデータベース技術を使う方が正直使い勝手は良いです。
しかし、ブロックチェーンの主な3つの特徴が、WEB2.0で起きた様々な問題を解決するものとして注目されているのです。
特徴①:分散化
ブロックチェーンの一番大きな特徴とも言えるのが「分散化」です。
現在のネットワークは管理するサーバーにより支えられているものがほとんどで、インターネット上のサービスを利用する場合、そのサーバーにアクセスすることになり、ユーザー同士のやり取りもサーバーを通して行われます。
情報が一箇所に集まる王政のような仕組みのため、中央集権型ネットワークとも言われます。
管理する対象が一箇所に集まっているので管理コストが低い反面、管理者の方が利用者よりも強い権限を持っているため利用者の不利益に働く可能性ももっています。
また、データもサーバーで管理するため、なにかしらのトラブルが起こるとシステムが停止してしまうという単一障害点も持っています。
ブロックチェーンではP2Pネットワークという参加するコンピューター同士でネットワークを形成します。
P2Pネットワークでは参加するコンピューター(「ノード」と言います。)がそれぞれデータを保管するため、どれか1つのノードがダウンしてもネットワークは動き続ける事ができます。
つまり、データが1箇所に集まらず参加するノードでネットワークを形成するため、やり取りも参加者同士が直接行います。
見ず知らずの参加者同士でやり取りすることになるため危険を感じるかもしれませんが、ネットワークの参加者全員がやり取りの内容を相互に検証し合う仕組みのため、管理者不要の承認が可能となっています。
これを、「トラストレス」と呼び、参加者が実在することを証明し、ブロックチェーンに保存されるデータの正確性も保障する仕組みなのです。
このように分散化を実現することで、ブロックチェーンは可用性が高く、管理者不要のネットワークを形成することができます。
特徴②:対改ざん性
インターネット上のデータを使用する上で重要な要素は、セキュリティとデータの正確性です。
ブロックチェーンはP2Pネットワークの分散化により、どこかのノードでデータが改ざんされたとしても、その他のノードが保持するデータとの違いにより、改ざんされたことが明らかにされます。その改ざんされたデータはブロックチェーンで保持するデータとしては扱われないため、正確なデータを維持することができます。
これは、ブロック同士が保存するデータの連続性によっても保たれています。
もし何らかの理由により大きな変更が必要となった場合でも、ネットワーク参加者の同意によりハードフォークというブロックチェーンの分岐によっても、データの正確性を保つことが出来ます。
トランザクション発行時に公開鍵暗号方式を使うことでデータのコピーや改ざんを防いだり、ブロック生成時にハッシュ関数を利用しブロックの前後関係の整合性を維持するといった方法によっても守られています。
このようなネットワーク技術には「51%攻撃」の懸念もあります。それは、ネットワーク全体の51%の計算能力を持つことで、ネットワークを事実上支配されてしまう攻撃です。
そこでブロックチェーンでは、保存するべき正しいデータを決定するコンセンサスアルゴリズムに、経済的なメリットをつけることでその攻撃を回避しています。
正しいデータを決定することは、ブロックチェーン上ではブロックの生成となりますが、そのブロックの生成の権利を得ることによって、報酬を得られるように設計されたのです。
例えば、「PoW(Proof of Work)」というコンセンサスアルゴリズムでは、ブロック生成の権利は「ナンス」と呼ばれる「何かの値」をブロックに加えて、目標となる「ハッシュ値」となるまで大量の計算を行うことで得られます。
計算能力をブロックチェーンの運用に活かす方が、51%攻撃のために計算能力を高めるよりもはるかに効率が良く稼げる仕組みとなっているのです。
「PoS(Proof of Stake)」など他のコンセンサスアルゴリズムも稼働していますが、同じ用に正常な運用をする方がメリットが大きいように設計されています。
このように、技術面や仕組みからもセキュリティやデータの正確性を、ブロックチェーンは高めているのです。
特徴③:データの保存形式
仕組みの説明でもしましたが、ブロックチェーンはその言葉の通りデータを「ブロック」という形で保存します。
ほとんどのデータベースはテーブルという表のような形でデータを保存し各データの関連性をもたせるようにしています(リレーショナル・データベースです。)が、トランザクションの塊を「ブロック」として保存する形を取っています。
「ブロック」には「ブロックヘッダ」と呼ばれる一つ前のブロックの情報が含まれていて、これによりデータの整合性と同一性を保っています。
ブロックに保存されたデータは、トランザクションを利用することで検索・閲覧することができるようになっています。
そして、P2Pネットワークに参加するノードは、ブロックチェーンのすべてを保存するノードと一部を保存するノードという役割があり、それぞれが分散してデータを保存しています。
ここまでブロックチェーンの仕組みや特徴を上げて来ましたが、これらで使われている技術や仕組みが相互に作用することで、安全で信頼性の高いネットワークを実現しています。
今のところ流出などの大きな問題は、ブロックチェーン自体からは起きていません。ほとんどの場合がブロックチェーンを利用したサービスを展開している取引所などから発生しているのです。
ブロックチェーンは新しいネットワークを作る
ブロックチェーンはWeb2.0で起きた問題を解決する新しいネットワークとして期待されています。
そして、ネットワークだけでなく社会問題の解決の基盤としても注目されている技術でもあります。
その基本的な仕組みと主な3つの特徴について今回は書いてみました。
・・・本当は基本的な事を一気に書こうと思ったのですが、すごく長くなってしまうことに気づき分けることに・・・
なので、ブロックチェーン用語をいきなり使ったままになってしまってますが・・・一連の記事を読めば理解できるように調整しておきます。
次回は、この仕組と特徴を支えるために使われている技術について書いて行こうかなと。
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